自分の体質やからだの状態を知り、将来の生活や人生の計画を考えましょう

診療の解説

1.多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

以下の症状に当てはまる方、多嚢胞性卵巣症候群かもしれません!

20,30歳代で

・月経周期が32日以上と長い方
・月経が7、8日以上だらだらと続く方
・反対に、月経血が非常に少なく3日以内で終わってしまう方
・ニキビが多くて悩んでいる方
・手足は細いのにおなか周りに脂肪が多く、急に太った方

その症状、多嚢胞性卵巣症候群かもしれません!

この病名は昔から知られているのですが、病態がさまざまでまだよく解明されていないことの多い疾患というか、体質というのが正しいでしょうか。
私は1988年に医師になってから、日本と米国での基礎研究と、1996年に帰国してからずっと臨床研究と実際の治療をしてさまざまな経験をしてきましたので、この疾患に携わってから30年以上になります。30年以上続けてきたからこそよくわかること、よく気づくことがあるのです。

PCOSは、20年程前より糖尿病との関連が多く指摘されています。あまり知られていないことでは、子宮内膜症や子宮奇形を合併している女性には、PCOSの方が非常に多いのですが、これは30年かかわったからこそ分かったことです。

2.月経痛と性交痛

子宮内膜症は超音波で簡単にわかるものから、腹腔鏡下で観察しないと判断できない微少なものもあります。
ただし、治療の必要があるかないかの判断は、内診と超音波検査、これに直腸診を併用すれば診断できるのです。

直腸診をする婦人科医は非常に少ないですが、これでは深部の内膜症は診断できません。

子宮内膜症の内視鏡手術をたくさん施行した経験から、手術前後での内診と直腸診の変化を熟知しているので、直腸診しないと月経痛・性交痛の原因となる子宮内膜症の深部病変の存在は確認できません。

また、もう一つ大事なことがあります。それはその後の人生で妊娠や分娩を考えている場合は、痛みの原因が子宮内膜症で卵巣が腫れているというだけですぐ手術するのではなく、その前によく考えてみてください。卵巣の機能や能力は人それぞれ異なりますが、手術の後では卵巣の失われた機能(卵子)は回復できないのです。現状を正しく理解して今必要なのか、様子が見られないのか、卵巣のダメージは仕方ないが、それでも手術が必要か、という判断が難しいのです。

月経痛・性交痛は原因がわかれば、適切で必要最小限の治療で対処できるのです。